電解銅箔の産業用途:
電解銅箔は、電子産業の基礎材料の一つとして、主にプリント基板(PCB)やリチウムイオン電池の製造に使用され、家電、通信・コンピューティング(3C)、新エネルギー産業など幅広い分野で利用されています。近年、5G技術とリチウム電池産業の発展に伴い、銅箔に対する要求はより厳しく、より新しいものとなっています。5G向け超低背(VLP)銅箔とリチウム電池向け極薄銅箔は、銅箔技術の新たな発展方向を牽引しています。
電解銅箔の製造工程:
電解銅箔の仕様や特性はメーカーによって異なる場合がありますが、製造工程は基本的に同じです。一般的に、どの箔メーカーも、原料として同じ純度の電解銅を用い、電解銅または廃銅線を硫酸に溶解して硫酸銅水溶液を生成します。その後、金属ローラーを陰極として、電解反応によって金属銅が陰極ローラーの表面に連続的に電析します。同時に、金属銅は陰極ローラーから連続的に剥離されます。この工程は製箔・電解工程と呼ばれます。陰極から剥離された面(平滑面)は、積層板またはPCBの表面に見える面であり、裏面(一般に粗面と呼ばれる)は、一連の表面処理が施され、PCB内の樹脂と接着される面です。両面銅箔は、リチウム電池用銅箔の製造工程において、電解液中の有機添加剤の添加量を制御することで形成されます。
電気分解中、電解液中の陽イオンは陰極へ移動し、陰極で電子を得て還元されます。陰イオンは陽極へ移動し、電子を失った後、酸化されます。硫酸銅溶液中で2つの電極を直流で接続すると、陰極上で銅と水素が分離するのがわかります。反応は以下のとおりです。
カソード:Cu2+ +2e → Cu 2H+ +2e → H2↑
アノード: 4OH- -4e → 2H2O + O2↑
2SO42-+2H2O -4e → 2H2SO4 + O2↑
陰極表面処理後、陰極上に析出した銅層を剥離することで、一定の厚さの銅板が得られます。この特定の機能を持つ銅板は銅箔と呼ばれます。
投稿日時: 2022年2月20日